長い間「冬眠」していたビットコインを大量に保有する「クジラ」が活発化しているようだ。米ブルームバーグが米ベンチャー「フリップサイドクリプト(Flipside Crypto)」(本拠ボストン)のリサーチとして伝えた。これが本当だとすれば、冴えない仮想通貨相場に方向感が出てくるのも間もなくかもしれない。
米フリップサイドクリプト社は昨年、米仮想通貨取引所最大手コインベースや数多くの仮想通貨事業に投資する米デジタルカレンシーグループからの出資をうけた仮想通貨解析に特化するリサーチ会社だ。
同社によると、昨年10月以来、6~30カ月間仮想通貨の出し入れがなかったウォレット(仮想通貨の口座にあたるもの)からの仮想通貨の移動が増加。その結果、昨月の時点でアクティブなウォレットがビットコイン総流通量の60%を保有していることになった。また、アクティブに移動しているビットコインの量も2018年夏から40%増えているという。
フリップサイド社のデータサイエンス部長であるエリック・ストーン氏(Eric Stone)によると、「かなり大きな変化だ。大きな価格変動へのポテンシャルが通常より高まっている」
ブルームバーグが伝えるように、ビットコインのウォレットに類似の傾向があった2015年・2017年は、その後大きな価格変動とボラティリティが見られた。特に2017年は、ビットコイン価格は前代未聞の2万ドルまで上昇した経緯がある。
フリップサイド社のデイビッド・バトラーCEOがブルームバーグに語ったところによると、ボラティリティが高まった過去数年間に休眠していた長期投資家が活発化してきたという。また、同氏はこの傾向がしばらく続くと見ているようだ。
仮想通貨ビットコインは非中央集権を体現するマネーの新しい形として注目されてきたが、一方で85%のビットコインが約1000の特定ウォレットに集中しているという問題がある。大量のビットコインをもった特定の個人が相場を動かすのでは、という想像から「クジラ」という言葉が使われるようになった経緯がある。
一方で、仮想通貨調査会社Chainanalysis社が昨年10月に世界中のビットコインのウォレットのうち一番残高が多い32個を調べた結果、アクティブな出入金があるのはうち3分の1で、これらアクティブな「クジラ」は逆張りがメインであることが判明している。定説に反して、クジラは相場の一方的な動きに加担するような売買をしていないという見方もできるので、やみくもに「クジラ相場説」を信じるのは禁物だ - bitseven.com.
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